2014年 8月 09日

キッチンと愛犬のこと

カテゴリー BLOG,日々のこと

こんにちは。エディターの田村です。

この2週間、身のまわりにいろいろありまして

お久しぶりの投稿になってしまいました。

 

今日はちょっと私的な話を書くことをお許しくださいね。

 

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7月の終わりの月曜日の明け方、

14年間を一緒に過ごした愛犬の「はな」が天国に行きました。

7月中旬までずっと食欲旺盛で、お散歩にも元気よく行っていたのですが

ちょっと元気がないな、と病院に連れて行ってから

たった10日ほどの間に、みるみる容態が悪くなっていき、

その病状の進み方の急激さは、

ずっとかかってきた信頼する動物病院でも驚かれるほどでした。

 

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毎日、前日できたことができなくなっていく愛犬を見るのはつらいものでしたが、

本人はもっとつらかったと思います。

というか、「あれ?食べられないな」「おかしいな、歩けないな」

「立てなくなっちゃったな…」と、戸惑っているようにも見えました。

 

愛犬は、飼い主に似て、食べることが大好きでした。

自分の食事が済んでいても、私たちが食卓についていると

必ずすぐ隣にいて、じっとおすわりをして何かもらえるのを待っていました。

今日はもらえないとわかると、前肢で私の足をひっかいて要求しました。

 

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(写真は、カフェラテのミルクフォームをひと口なめたくてにらんでいる図)

 

だから愛犬は、食べ物が出てくるキッチンという場所が大好きでした。

食事の支度をしていると、何か落ちてこないか期待して

じっとこんなふうに待っているのは毎日のことでした。

 

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たぶん、家の中で一番好きだった場所なのではないかな。

なんたって、リフォーム工事のときから全部見ているのですから。

 

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(設計担当の鈴木朝子さんとすっかり仲良くなり、

職人さんにも慣れて、一日中作業を観察していた愛犬)

 

歩けなくなる前日のことでした。

やっとのことで立ち上がり、愛犬はふらふらと部屋中を歩き回り始めました。

転ばないように後ろから支えられて、少しだけリビングルームをまわり、

廊下に行って、寝室に行って、洗面室に行って、

ゆっくりゆっくり戻ってきた後、最後に愛犬が向かったのは、

大好きな大好きなキッチンでした。

 

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そのとき、主人が食事の支度をしていました。

もう、何も食べることはできなくなっていて、点滴だけで生きていたのに

キッチンで野菜を切っている主人の足元にいつものように陣取って、

定位置に座り込み、ごはんができる様子をいつまでも静かに見ていました。

 

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最後にキッチンに行って、どんなことを考えていたのでしょうね。

「おいしいもの、いっぱいもらったな。

トマトとか、枝豆とか、そら豆とか、ささみジャーキーとか。

桃とか、いちごとか、りんごとか、ごはん粒とか」

 

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顔を上げることもできなくなっても、

目だけはしっかりと開いて、ずっとこちらを見ていた愛犬は、

きっと、いろんなシーンを目に焼き付けていたんだと思います。

おいしかったこと、うれしかったこと、楽しかったこと。

(苦しそうだったから、せめてそうだったらいいなと願う

飼い主の思いなのかもしれませんが)

 

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そして今、愛犬の居場所はここになりました。

キッチンからつながった、無垢板のカウンターのリビングボード部分、

庭も食卓もよく見える明るい場所。

悲しいけれど、これからも毎日一緒なので、

この場所を見るたび、心慰められます。

鈴木さん、ありがとう。

 

久しぶりに、HOME KITCHENS取材の時のムービーも見てみました。

動く愛犬が少しだけ写っていて、撮影してもらってよかったなと思いました。

原野さん、ありがとう。

 

 

永遠に一緒にいられるとは思っていなかったけれど、

別れが来るのは、本当に突然なこともあります。

あと1年、いや1週間、いえあと3日だけでも…と思っていたのに

私の場合は、そう思った翌日には、もう愛犬は元の姿ではなくなっていました。

穏やかなありふれた日々がいつまでも続くものではないのも、

悲しいけれど事実なんですね。

これを読んでくださった、今、愛犬や愛猫と共に過ごしているみなさんが

一緒に長く幸せな日々を送られることを祈っています。

いつも、そばにいてあげてくださいね。

 

そしてはな、うちにきてくれてありがとう。

また、別の場所できっと会おうね。

 

(田村)

 

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